825 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/02(日) 00:48:46 ID:0Kex7Y3. (3/10)
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∬ 番外編 リーファと緑の騎士 ∬
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827 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/02(日) 00:50:58 ID:0Kex7Y3. (4/10)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
きっかけは、ふさぎ込んでいた私がどうにか立ち直って、
アイツに追いつけるように、今まで以上に訓練と稽古に打ちこんでいたある日、
コトノーバのお姉ちゃんが私に持ちかけたあの話だった。
「一人旅・・・・・?」
「そう、もちろん訓練学校には申請を出して、正規の課外訓練として扱ってもらうつもりよ。」
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
普段から真面目過ぎるくらい生真面目なお姉ちゃんが、
まさかこんなにも型破りなことを言い出すなんて思ってもいなかったので、
つい返答に窮して、額の汗をぬぐうばかりだった。
「でも、何のためにそんなことを? 私はまだ、ここでの訓練だって楽にはこなせないのに。」
「そうね、だけど今のあなたは急ぎすぎていると思うの。
あの子に追いつこうとして必死になる余り、心の余裕がなくなっているのではないかしら?」
「でも頑張る他に方法なんて・・・・ アイツがあんなに死ぬ思いで強くなっていくのに、
その間に私はいじけて無駄に時間を過ごしてしまって・・・・
その分を取り返して、地球で戦っているアイツに追いつくために、頑張らないといけないの!」
余裕なんてあったらその分稽古して、訓練して、強くならないと、
そうしないと私にアイツの横に立つ資格なんて無い。
あの時私の身勝手な言葉でアイツを傷つけてしまった私には。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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828 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/02(日) 00:53:32 ID:0Kex7Y3. (5/10)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
「そうやってムキになっているから言っているの。
強くなるのは良いし、彼に追いつきたいって思うのも間違ってはいないわ。
だけど、そればかりだと、いずれ自分を見失ってしまうと思うの。」
そう言って、お姉ちゃんは困った顔をしてため息ついていた。
「思い出して、あなたはどんな剣士になりたいの?
ただ強くなるだけではない、強くなって何をするつもりなの?」
「それは・・・・・・・・」
そうだった、私が剣を学んで、強いウルトラ戦士になりたいと思った理由。
話にしか聞いたことは無い、だけど心に深く刻まれた、メビウス先輩の戦友、ザムシャー。
最初に出会ったときは、ただ最強でありたいと願うばかりだった彼が、
次に会ったとき、その命を懸けて他人を守ろうとして、そして死んでいったこと。
戦って敵を倒す強さだけではなく、他人を守ろうという意志。
それこそがウルトラマンに、私達光の戦士にとって一番大事なもの。
メビウス先輩は彼のことを語るたび、寂しそうに、だけど強くそう言っていた。
「ふふっ 思い出したようね?」
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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ノ ̄ ̄ .i::::ヽ `\| | ,`ー-し'_::::::::::::::::::::::::丶 ヽ::::::::::::::_`丶 }リ
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829 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/02(日) 00:54:56 ID:0Kex7Y3. (6/10)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
「うん、私は誰かのために戦う戦士になりたい。
私が強くなるのは、アイツへの負い目のためじゃなくて
いつかアイツと一緒に戦う時に、対等の戦友としていられるように、
そして今はまだ知らない誰かの命と未来を守るためだから。」
「よろしい。それでは見失いかけた自分の目標を思い出したところで、
さっきの続きなんだけれど、いいかしら?」
私はまだまだ未熟者。だったら自分一人じゃなくて
先輩や教官たちの意見を素直に聞き入れなければいけない。
そんな簡単なことを忘れてしまうようじゃ、
いつまでたってもアイツに追いつけるはずが無い。
「お願いします!」
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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830 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/02(日) 00:57:21 ID:0Kex7Y3. (7/10)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
そして聞かされた内容をまとめると、私は剣も格闘も、既に基礎は身についているらしい。
私自身は全くそうは思っていなかったけど、お姉ちゃんやクリリン教官、
メビウス先輩のような経験豊富な人たちと訓練をしているので、高望みし過ぎなんだって。
本当は体験惑星派遣で刺激を与えて、さらに上へと押し上げるきっかけに
するつもりだったらしいけど、アイツの一件で延期になってしまっているので
その代りを兼ねて外へ出てみてはどうか、というのが一つ。
そしてもう一つ、剣術をマスターするには技術の他に、剣と一体になる、
剣を自分の一部とするほどの研ぎ澄まされた感覚と、
それを持続する強固な精神が必要だとされている。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
| | |│ | | ,/´ i 、 ヽ、 ヽ、 ヽ____ ミ;ヽ,)ヽ
| | |│ | | // i , /'i |\ ヾ_、 i l _.iヽ,l
| | |│ | | /イ l | l ヽ l,:-<ゝ;>、l |-‐‐' /K !
| | ││ | | |/l | ! |、 | 、,,Xヾイ::;ヽ i' | |r=く /,! 〉
| r─‐ニ─┐| l |、 トx‐!ヾ ' ヾソ'´ | .|'ノ }/j〈
| | i´〈 〉`i | | 'ヾ ヽ'i メ:`i | |ノ ノノ///
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「| L ノヽ _」 |'1 l l ヽ _ | .|ヘ,,/ヽ::\
| | 「, ノ ヽ`i | | l ヽ ´ - | | |::|:|::i:!ヾ:::!
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「,>'ー 、 ヽ ヾi l / ̄ ̄ ̄'/ ̄´ヾ、::::〃:::::::::::::::::::\\::::::::::::::::::::i
r'´ ,! `ヽ.ヽ ヽ ! /ゝ(⌒-==ニ二ヽ V:/:::::::::::::::::::::::::/ /::::::::::::::::::::|
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しかし、そうやすやすと剣との一体感を得られるものではない。
そこでお姉ちゃんは、自分の愛剣を探してみるのはどうだろうと提案された。
単に愛剣が欲しいのなら、開発局に作ってもらうのでも、
スペシウムブレードを練磨してもいいし、そのほうが手軽だ。
でも自分の脚で、自分と、自分の守るべきものの命を預ける剣を得ることで、
剣に対する思い入れを持ち、場合によっては剣との交流すらも重ね、
愛剣との一体感を育むことができるのではないか、と言われた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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831 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/02(日) 00:58:37 ID:0Kex7Y3. (8/10)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
実際に専用の武装・アイテムを使用するウルトラ戦士は何人もいて、
ジャックさんのウルトラブレスレットや、アティ先生のシャルトスなどが有名な例。
ウルトラブレスレットは開発局が作り出した武器で、
シャルトスは”魔剣怪獣”と言われる、生物とも器物ともつかない特殊な武器だったはずだ。
今の私は稽古用の特殊合金製模造刀と、スペシウムブレードを使っている。
でも、スペシウムブレードはエネルギーの消耗がバカにならない上に、
刃の形成にかなり気を取られると言う難点があって、
今のままでは戦闘に使うことはできない。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
} ` 」\_⌒> >-─┐`、
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ト、! || l_| |.| | | | //Y^| | |し )ハ// r乞Tl| |∧/
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そこで、自分で相性の良い剣を探して来よう、ということらしい。
そう簡単に見つかるわけはないと思うのだけど・・・・・
まあ課外活動のついで、くらいに考えておけばいいんだと思う。
まずは外の世界を回って、自分が守りたいものがどういう物なのか、
それを見て回ろう。
彼が命を懸けて守り、アイツが今守っている物を。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/02(日) 01:00:20 ID:0Kex7Y3. (9/10)
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あれから数日が経ち、今日私は小型宇宙船で惑星遍歴の旅に出る。
まず加工技術では銀河随一を誇る惑星、アメストリスを目指しながら、
安全と思われる可住惑星のある星系ごとに太陽エネルギーを補給しつつ、
いろんな惑星の人々や生き物を見て回る旅だ。
今までにも近傍の惑星なんかに行ったことはあるけれど、
報道や資料でしか見たことのない星々や生き物を見る機会なんて
これが初めてのことだから、不安と期待が等分に胸に渦巻いている。
帰るまでしばらくの間みんなには会えなくなるから、
見送りのみんなの顔を、じっくり目に焼き付けて置く。
そして、お姉ちゃんやヒビキ、ルリたちに見送られて、私はウルトラの星を飛び立った。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
そういえば・・・・アイツの映像を見るのも、これで最後なのかも。
私が戻ってくるころには、アイツも帰ってこられるといいなあ。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/02(日) 01:01:31 ID:0Kex7Y3. (10/10)
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∬ 第一回 終わり ∬
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834 :カイント [↓] :2014/11/02(日) 01:01:55 ID:GcBR3QdU (2/3)
88888888
835 :ゆで女衒 ◆E8kwFGHptY [] :2014/11/02(日) 01:03:04 ID:PCfm.mYY (2/2)
乙ー! 早く続き読ませろー
836 :名無しの兄者だお [] :2014/11/02(日) 01:04:17 ID:LlGx98Eg (2/2)
乙です
837 :ヒビキの人 [↓] :2014/11/02(日) 01:06:17 ID:S7f5kAMA (3/3)
乙
これには自分も感化されちゃいましたよ!(意訳:早く自分もヒビキとジャンクロンの出会いの番外編書かなくては……;;;)
838 :カイント [↓] :2014/11/02(日) 01:13:46 ID:GcBR3QdU (3/3)
いやあ、よかったわぁ
839 :ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/03(月) 23:48:01 ID:29/3Y8AM (1/12)
コソーリ
840 :ゆで女衒 ◆E8kwFGHptY [] :2014/11/03(月) 23:49:34 ID:2Qw2UscY (1/2)
はいよ
843 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/03(月) 23:53:16 ID:29/3Y8AM (3/12)
これはきっと夢なのだろう。
今見ている情景は、確かにかつてあったことで、
+ しかし私はそれを見ることができたはずもない。
゚・*:.。. 。.゚:
:. ゚・ *. . 確固とした思考も、明瞭な感覚も、
゚ .。
゚・ *:.。. * ゚ 何も持っていない時の出来事であるにもかかわらず、
+゚
。 .:゚* + . それを私は見ているのだ。
゚
゚ /ヾー、 遥かな昔、私が生まれた時の事を。
r!: : `、ヽ
l:l::..: :.|i: 〉 だから、これはきっと夢なのだろう。
ヾ;::::..:lシ′
`ー┘
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∬ ∬
∬ 番外編 リーファと緑の騎士 ∬
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844 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/03(月) 23:53:48 ID:29/3Y8AM (4/12)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
光の国を出発して二か月が経った。
既に二つの惑星を訪れ、次に向かうのは三番目の惑星だ。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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!ヽヾWW;:;:;ィイイ !
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∠ニミヽ 、,,,,、、-‐‐‐ヽヽ / l
}Tェタ;j `ゞtテェテヽニ` りノ``ヽ、
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,. イ V彡 `゙゙´ ``ヽ ' / l/ \
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彡 ミミ ,. '´ /
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
最初の惑星では、かつて宇宙でも珍しい鉱石を多く産出し、
銀河有数の繁栄を誇った文明の遺構を目にした。
今では観光地として当時をしのぶ工場・工房や採掘場を残すのみで、
人々は農耕で生計を立て、歌と音楽、そして風を嗜む牧歌的な生活を送っていた。
栄華に溺れた古い歴史を伝え、平和と安寧の日々を送る彼らは、
もはや過去を誇ることも無く、だからと言って過去を恥じるわけでもなく、
自分たちの歴史として受け入れていた。
そして話を聞かせてもらった住民の一人はこう語ってくれた。
「自分たちの先祖は栄華を極めた1000年の間に”足る”を知ることを忘れてしまった。
そして再び足るを知るのにさらに1000年かかり、その間に多くの悲劇があった。
我々には、2000年の時と多くの犠牲の上にある今の平和を
壊さず子孫に伝えていく責務がある。」
彼らの寿命は100年程度。20世代を超える時を経て掴んだ平和には、
いくら5000年以上を生きてきたとはいえ、
未だ成人していない私のような小娘には計り知れない価値があるのだろう。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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845 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/03(月) 23:54:13 ID:29/3Y8AM (5/12)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
二番目に訪れた惑星は圧巻だった。
表面の9割を水に覆われた、真っ青な星。
資料で見たことのある地球も青の惑星だったけれど、
この星はそれ以上の青さだった。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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広大な海に生きる水の民。
わずかな陸地を飛び出し、水上に人工の大地を築いて季節と共に移動する街。
交易に、海底資源採掘に、縦横無尽に行きかう様々な船。
どこまでも続く青の世界に、光の満ちた白の世界で生きてきた私は圧倒され通しだった。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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846 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/03(月) 23:54:44 ID:29/3Y8AM (6/12)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
穏やかに暮らす人々、活気に満ち溢れた人々、
いずれの星でも、みんな笑っていた。元気に、あるいは穏やかに。
だけど宇宙には、ああいった笑顔を平然と踏みにじる星人が確かに存在して、
あるいはただ破壊を振りまくだけの怪獣たちがいる。
きっとそういったもの達から彼らの笑顔を守るのが、私達ウルトラ戦士の務めなんだ。
メビウス師匠たちウルトラ兄弟が今まで地球を守ってきたのも、
地球の人々の笑顔を踏みにじらせないためなんだと思う。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
再び休眠モードに入り、また私は夢うつつの時間を過ごす。
その間に船は次の星を目指し、到着し次第また覚醒することになる。
ああ、次の星は一体どんな場所なんだろう。
一体どんな生き物が住んでいるんだろう。
興奮冷めやらぬ中、私はまどろみに沈んでいった。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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847 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/03(月) 23:55:26 ID:29/3Y8AM (7/12)
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
ブザーが鳴り、船が次の恒星系に着いたことを報せている。
なんだろう、何かとても不思議な気分だ。
休眠モードの間、半覚醒状態でうつらうつらとして夢とうつつの間を漂っていたけど、
目が覚める直前、なんだか不思議な夢を見ていた気がする。
もう雲散霧消してしまってほとんど思い出せないけれど、
どこか暗い、とても暗くて静かな場所だった気がする。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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./ : : : : : : : : : ≧イ: : : : : / ´ ̄./: :_:_:_: : : /: : : : : :_:',
八 : : : : : : : : : /: {: : : : :/ ; ./: : : : }: : ̄: : : /´: : :}
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Y: : : : : :.V / /: : : : : : イ : }ヽ:′ : : : :/ : |
'.: : : : : : :{. ; ./_: :-=≦ : : : : : : :l{: : : :/ : : {
込、:、 : : 人 { /: :O: : : : : : : : : : :}: :ハ: /: :/ : : '.
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アレは一体何だったんだろう。
私はあんな暗い静かな場所に行ったことがあったんだろうか。
つらつらと考えていると、またブザーが鳴って惑星への到着が近いことを報せてきた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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848 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/03(月) 23:55:48 ID:29/3Y8AM (8/12)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
ブザーに気づいて慌てて正面の景色に目を凝らすと、
そこには青と緑の入り乱れた球体が迫っていた。
マップを確認すると、あれは惑星ナブー。
複雑に入り乱れた海と陸と湖が織りなす、銀河屈指の植物の楽園。
大気組成は窒素と酸素を主体とし、地軸は直立で安定。
恒星からの光も充分にあり、植物の色は地球と同じ、緑。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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前の星での一面の真っ青も綺麗だったけど、
この星の緑は、綺麗という言葉を通り越して、
豊かな命を感じさせる色で……
気が付くと私は、口を開けて見惚れてしまっていた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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849 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/03(月) 23:56:27 ID:29/3Y8AM (9/12)
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早速降り立った場所は、星の中緯度地域にある島。
このあたりは水源が豊富なのだろうか、鬱蒼とした樹海になっている。
恒星からの光は、40mの本性を維持するには流石に不十分なので、
今までと同じように小型の人類を模した姿で行動することにする。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
大気を吸うと、木々の香りが立ち込めているのが分かる。
最初の星では砂と草木の香り、次の星では潮の香りが印象的だったけど、
この星での最初の記憶は、この匂い立つ樹木の香りだった。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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850 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/03(月) 23:57:05 ID:29/3Y8AM (10/12)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
この星の生物相はかなり豊かなようで、小さな虫から大型動物まで、
ほんの一晩の間だけで何度も遭遇するほどに繁栄している。
あの首の長い動物は、おそらく樹木の上のほうの葉を食べるのだろう。
あるいは広い範囲に首を伸ばして一歩も動かず効率的に食べるのだろうか。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
どのような惑星でも、人類が出現すれば多くの生物が絶滅に追い込まれ、
生物相が荒廃する。
たとえその後人類が成熟して穏やかな社会を築き上げようとも、
何億年という、私達光の国の人間からみても気の遠くなるような
永い時間をかけて形作られた生物相は、二度とは戻ってこない。
そう、ここは私が初めて訪れた、無人の生物惑星。
生物が誕生してからも知的生命体が生まれず、
また異星人の入植も行われなかった、数少ない命の星。
ウルトラの星のことを思い出し、チクリと胸が痛む。
私の故郷も、人類が生まれる以前はこのように多様な生物が住んでいたんだろうか。
弱肉強食の動物たち、光と水を求めて競争する植物たち、
けっして平和ではないのだろうけど、たとえ本能のままに動いているだけだとしても、
彼らは懸命に生きようとしていた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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851 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/03(月) 23:57:55 ID:29/3Y8AM (11/12)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
動物たちの鳴声、足音、植物のざわめき、水音・・・・・
人の暮らす惑星とは全く違う、自然そのものの息吹は
ウルトラの星では絶対に感じられないもので、
文明というゆりかごの中で生きてきた私は、何度もため息を漏らして感嘆していた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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}`ヽ―=====,/ //::: : : : :ヽ、 ヽ__ノ } : : : ::::::,: '´
,イ ,/ ,イ':: : : : : : : : :\ Yノ ノ::::,: '"´
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ヽ―---==ニニ二、:_:_:_::::::::::`:::‐-:-:-:-:-:}
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
そうして周囲の音に聞き入っていた時、ザクリという異音を耳が捉える。
何の気なしに振り向いたのと、スラリという金属音がしたのは、ほとんど同時だった。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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852 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/03(月) 23:58:18 ID:29/3Y8AM (12/12)
∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
∬ ∬
∬ 第二回 終わり ∬
∬ ∬
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853 :ゆで女衒 ◆E8kwFGHptY [] :2014/11/03(月) 23:59:11 ID:2Qw2UscY (2/2)
乙です!
どんな奴と合間視るか楽しみです
854 :カイント [↓] :2014/11/04(火) 00:01:59 ID:rLP648ow
乙です!
文章力すごい…
そういえば緑の騎士ってアーサー王で聞いたような?
855 :ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/04(火) 00:04:32 ID:Uj91ggXg (1/2)
(言葉の元ネタは) それやね ←Fate脳
856 :ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/04(火) 00:17:55 ID:Uj91ggXg (2/2)
あと私文章力そこまで自信あるわけじゃない。読みやすい文章にしたいなーとは思ってるけど。
857 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/04(火) 22:48:42 ID:ubbPFfjY (1/9)
この星に人間がいるはずがない。
豊かではあるが特に資源価値も無い自然があるだけの無人惑星。
宇宙警備隊の定期巡回航路にあっては植民地化の意味もなく、
ただ自然のままに放置されるだけの星。
そこに人が来る理由など、私には一つしか考え付かない。
故に…… 目の前の相手は、敵だ。
-=- .,_
~'' ‐ニ三二ニ=‐ .,_
 ̄~ '' =三≧=- .,_
-‐¬冖冖¬ミ三==- .,_
_,,..-‐======---==‐- ミ~''ー==ミ=- ,_
`ヾ二二二二二二二二二二二二二≧ミ,=ニ二_ニ≧- .,
\ニニr'''"´ ̄ /=/:: ̄.~. ''. .‐=二_ニニニ≧ミ, ~~'' ‐-ミ丶
ⅥΛ {Ⅳ:: : . . . . . . . . . . . ~. ' <ニニ≧ミ, \、
∨Λ {ニ! : : . . . . . . . . . . iI!. . . . . ~'<ニニ\ ヽ::.
. ∨Λ Ⅶ:: :... . . . . . . . . . |I|. . . . . . . . .~'.<二\ ゛:.
ヽΛ V';: :. . . . . . . . . . .|I|. . . . . . . . . . . . :}7\ヽ :.
\、 V';: . . . . . . . . . . lI!. . . . . . . . . . . ./,′ ヽ:. .
゛ \、. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . // ゛, .
丶 \ 、 . . . . . . . . . . . . . . . . .イア ′ , .
丶 ` ミ :.., .... . . . . . . . .. // ′ :.
\ `` ミ=zzzz=彡 " ′
` ミ::.,  ̄ ,/
` ミ==zz---zzz==≠´
` ー==-‐'"´
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∬ ∬
∬ 番外編 リーファと緑の騎士 ∬
∬ ∬
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858 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/04(火) 22:50:00 ID:ubbPFfjY (2/9)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
「あなたは・・・・・」
尋ねる暇もあればこそ、目の前の人影は有無を言わせず斬りかかってきた。
鋭い剣尖。
私が躱せたのは、ひとえに普段の鍛錬があったおかげだ。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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z‐'´ Υ`ヽz=≦圭圭圭圭zキ_\ \: : : : \ \},乂_l_,,,.. -‐''"゛ _,,,.. -‐''"゛ _,,.. -‐'''"゛_,,.. -‐''
. r‐{ !./ / / ̄ ̄\孑'´ ̄r-、,ノ ≧ァ \: : :_,,,.. -‐''"´ _,,,.. -‐''"´ _,,,.. -‐''"゛_,,,.. -‐''"゛
. ゝ廾ト_/__/ 厶〈_彡}_{ _,z≠=x_ ._,,,.. -‐''"´ ._,,,.. -‐''"´ _,,,.. -‐''"´_,,,.. -‐''"´ _,,,.. -‐''
. `寸廴j|__/ーt<三三三三三三三≧=-..,,_,,..-=≦三≧=-..,,_._,,,.. -‐''"´._,,,.. -‐''"´ _,,,.. -‐''"´
7r-、,ノ`ヽ }、_〉三三夂三三三三三三三三三三三三三三三三三≧=-..,,_ ._,,,.. -‐''"´ _,,,..
/ ,、 __人_,,..-へ< . _ `''ー=迂三三三三三三三三三三三三三三三三三≧x _,,,.. -‐''"´
`¨´ `´ `''ー-..,,_ `''ー=迂三三三三三三三三三三三三≦彡 \ ._,,,.. -‐''"´ _,,,.. -‐''"´
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
刹那に目に映った人影は今の私と同じくらいの背丈で、
周囲の草葉に溶け込む、緑に身を包んでいた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
.
859 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/04(火) 22:51:27 ID:ubbPFfjY (3/9)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
「一体何のつもりっ!?」
追撃に備えて飛び退りつつ、ようやくまともな言葉を発することができた。
無人惑星で人に会うことはまだしも、いきなり襲われるとは思わなかった。
眼前の緑の人影は剣を構えたままこちらを睨んでいる。
「あなたは誰で、なんで私に斬りかかってきたの!
まさか誰が相手でもいいから襲い掛かるなんて言わないでしょうねっ!」
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
.....-=::ニ::=-...
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∨::|::::::>:r.、 } l}::リ
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./ ヽ 二/^\ \ ` く⌒ヾ:::{
/ ∧ / / \ ヽ ヽ_ -==-.、
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重ねて問うと、ようやく反応があった。
「しらばっくれるな、追っ手にわざわざ挨拶する義理など無い!」
なんの勘違いをしているのか、まともな答えになっていない。
ただおおまかな事情は分かった。
彼は追われていて、私のことを追っ手だと思っているんだ。
とりあえず誤解を解きたいところだけれど、
相手は殺気をビシバシと放って、隙あらば私を殺そうと狙っている。
どう見ても素直に話を聞いてくれそうもない。
でもここで刺激するのも良くない気がする。
今はまだ私は武器を構えず、念力や光線を使うそぶりも無い、
戦意が無い状態だと言えるだろう。
でもここで構えを見せると、相手は完全にこちらを敵だと断じて
話を聞いてくれる可能性はゼロになる。
たとえ自衛のためと言っても、むやみに相手を傷つけてはならない。
相手が誤解のために襲ってきているのが明白な以上、
ここで彼を殺したりするのは論外だ。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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860 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/04(火) 22:52:39 ID:ubbPFfjY (4/9)
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隙を見せないように警戒しつつ、眼前の相手を観察してみる。
風貌は地球人を始めとして、比較的よく見られるタイプの人類のものだ。
私たちウルトラの星の人間も、他の惑星へ溶け込む際に
よくこの姿に変身するので、割と見慣れたものだ。
目の前の相手はおそらくは精悍な顔立ちで、
表情には警戒の色が浮かんでいる。
衣装はまるで、プラズマスパーク以前の時代の古典に出てくるような…
そう、騎士。 緑の騎士とでも呼ぶべき姿だった。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
...:::´::: ̄:::::::.....
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八:::|:::::::::|:::::ハ、 ィ衍./ fY
Ⅵ、::::::|::::{ { U ` ( .' l}
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
「私は追っ手じゃないし、あなたのことも知らない。
あなたに危害を加えるつもりなんか無いから、落ち着いて話を聞いて!」
ひとまず嘘偽りなく自分が何者であるかを打ち明けよう。
隠し立てをすれば、それだけ相手に信じてもらえなくなってしまうだろうから。
「私はウルトラの星から来たリーファ! あなたの敵じゃない!」
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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861 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/04(火) 22:54:23 ID:ubbPFfjY (5/9)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
「ウルトラの星の・・・・? 確か宇宙の平和を守ると言ってあちこちに介入する連中か。」
なんだか馬鹿にするような言い草にムッとするけど、ここは我慢。
相手がようやく敵意以外の反応を示して来たんだから……
「これは僥倖だ! 追っ手や欲に塗れた連中ならば問答無用の所だが、
光の戦士が相手となれば、試す価値もあるというものだ!」
敵意こそ薄れたものの、別の気合が入ってますます闘気が増している気がする。
「目的は何だ、光の者! よもやただの観光などとは言わないだろうな。」
9割方はただの観光だったのだけれど、今更そうは言えなくなってしまった。
こうなったらもう一つの方の目的を正直に言うことにしよう。
「私はウルトラ戦士候補生で、ここへは・・・・・・そ、そう、武者修行で来たの!」
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
z≦圭≧x
〉, -=ミ迂心__ . -――- .
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/{山〈_::/: : : : :.:.:|: : |^| Ν. ゝ~''‐-..,,_~''‐-..,,_
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.' \\: : :.:/ー=彡: : } {圭入
≧ 、 __,,..人:.\/: : : : : : : :.:| _,,..-≦圭圭,}
ミ三心|: : : }: :}: : : : : : : : :.:.| _,,..-‐ { 圭圭圭圭 圦
三ミ刈|: : //: : : : : : : : : 厶-‐'´ 寸圭圭圭圭圦
三./_|: /´: : : : : : : : :_/ 寸圭圭圭圭入
少'/圭|// ̄ ̄ ̄ ̄/ 寸圭圭圭圭入
. 斤圭l´ / 守圭圭圭圭心
|圭圭!. / 守圭圭圭圭}
|圭圭! / ,行三三三氷
|圭手. | |三心圭圭圭廴___
. Ⅵ代 _,. | |三三会圭圭圭{三三心
`ユ| / | `≧==-ミ三三.}三三刈
乂___,.ノ
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
嘘はいけない、そう思って正直に言ったのだけど、
最後の一言を聞いた途端、目の前の緑の騎士はおもむろに剣を構え直した。
何かまずいことを言ってしまったのだろうか・・・・・
いや、武者修行なんて言ったものだから、また誤解を深めてしまったのか。
「そうとわかればやることは一つ。尋常の勝負を申し込むっ!」
嫌な予感が的中してしまった。
しかも誤解を解いたうえでのことだから、どうしようもない。
戦いを避けるには逃げるしかないみたいだけれど、
さっきの一撃で、既に相手が簡単に逃げられるような相手ではないことは分かっている。
変身して逃げても、船の所まで追いかけられては船を壊される危険がある。
それに・・・・・・
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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862 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/04(火) 22:55:02 ID:ubbPFfjY (6/9)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
「どうした、剣を構えろ。お前が剣士なのは、足捌きを見ればすぐにわかる。」
そう、私も剣士の端くれ。
堂々の勝負を申し込まれておいて、すごすご退き下がるのも不本意だ。
「そこまで言われたら仕方がないじゃない。いいよ、相手になってあげる。」
そう答え、私も構えることにする。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
人ヽ- ヽ _
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863 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/04(火) 22:55:35 ID:ubbPFfjY (7/9)
人ヽ- ヽ
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
普段の稽古で馴染んだ模造刀の柄が掌に収まる。
もうここから先は戦いを避けるなんて考えない。
多分、緑の騎士は私を殺すつもりで来る。
ならば私もちょっと相手するなんて程度の甘い考えではいられない。
まず死なないように、そして相手を制圧する。
生存が7割、攻撃が3割だと、地球の剣道教材でも書かれていた。
本当はこんなことせずに飛んで逃げなければならないのだろうけど、
相手が剣士だということが、私にそれを許さなかった。
「行くよ?」
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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864 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/04(火) 22:56:29 ID:ubbPFfjY (8/9)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
正眼に構えて、まずは相手の打ち込みをいなすことにする。
自信が無いわけじゃない。
それでも私はこれが初めての”戦い”で、
どうしても緊張や焦りが先立ってしまっている気がしたのだ。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
...-::―::-...
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V::::∧ -_- ./イ::::リ
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′ ∨ .|: : :| / ./ }
{ ヽ} |: : :|/ / /|
} ./ _∨r'=='} / / /リ
八 / / _.∧「 ¨:「/./ // イ
V / / ヾl|: : :| .// / /
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ハ l|' {/ゞ=イY .}、
}./l| .八 .ゞ==イ、 ハ}
/ニ|/ 〉=-イ .ハ /ニ∧
/ニニ{ /ヽノ } /ニニニニ',
.′ニ`¨ニニゞ=_ノ¨´l|ニニニニ;
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
目論見通り相手は先手を取って斬りかかってくる。
先ほど右に持っていた剣を左に持ち替え、右に盾を構えての突進。
こちらの反撃を盾で防ごうと言うのだろう。
しかし最初は欲張らず、まずは相手の剣を逸らす。
緊張のためか、少しで遅れて余分に力を受け止めてしまい、軽く後ずさる。
それでもどうにか相手の真剣を受けたことで、少し緊張が解けてきた。
すかさず緑の騎士が第二撃を打ちこんでくる。
今度は振り下ろした状態からの薙ぎ払い。
私はやや下段に構えてこれを上に跳ね上げて逸らす。
しかし緑の騎士はもう一方に盾を構えているため、ここでも反撃の隙は無い。
そしてそこから何度も、何度も、ヒヨッコの私は
緑の騎士の剣戟を受けては逸らし、そして打ちこもうとしてはそれを制される、
気の遠くなるような繰り返しが始まった。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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865 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/04(火) 22:56:56 ID:ubbPFfjY (9/9)
∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
∬ ∬
∬ 第三回 終わり ∬
∬ ∬
∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
.
866 :ゆで女衒 ◆E8kwFGHptY [] :2014/11/04(火) 22:59:26 ID:SaoU8ymU
乙です! そろそろ次が終わりかな?
867 :普通の名無しさん [↓] :2014/11/04(火) 22:59:57 ID:KKMPb8Ps
乙であります!
868 :名無しの兄者だお [] :2014/11/04(火) 23:03:14 ID:2LvaBz4g
乙です
869 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/05(水) 01:20:49 ID:0sgRFC96 (1/14)
この星にたどり着いて何度季節が巡っただろうか。 ,r-‐==‐- 、 ,
{、/ニニニニニニミ、 }
故郷の草木に囲まれ、自然の風に身を任せ、 ゞニニニニニニニミミ/
{ニニニ∬ニニリ≦ニニ= 、
草食獣と戯れ、時に肉食獣をからかって、 ゝニニニニニ=‐マニニニニニX
`{,'リゞl´〈ムニニニニニニ ム
初めて悪意の無い生き物たちと触れ合って過ごした時間。 ・=╋=・.く_イマニニ}ヾニニム
|ニ|\ニニ/. ヾ‐メ,r'ニニニム
しかしそれでも私の渇きは満たされない。 |ニ| `ー' r=ニニニニニニニ}
|ニ| マニニニニニニニ }
ああ、私はどうしたい、一体何であれば、 |ニ| <ニニニニニニ=〈
|ニ| 〉ニニニ=/ ̄
私は満足できると言うのだろうか。 |ニ| . /ニニニ/┘
|ニ| /ニニニ/‐=‐-- r-ュ/ニ=,
願わくばその答えが、”そこ”にあらんことを・・・・ V .:{ニニニニニニニニニ|ニ==ニニム、
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
∬ ∬
∬ 番外編 リーファと緑の騎士 ∬
∬ ∬
∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
.
870 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/05(水) 01:22:44 ID:0sgRFC96 (2/14)
...::´::: ̄::::::::::....
/::::::::::::::::::::::::::::::::::`::..
,/:::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ \ ,,_人、ノヽ
/:/:::::/::::::{:::::::i:::::::::::::V::::::::::::', )ヽ (
':::{::::::′::/|:::::::|:::::::::|::::V:::::::::::: < >
{:::|:::::{:::::::{ l:::::::|:::::::::}::::::}/》:::::::! ) て
∨:T`ヽ::」 V::八:::::::|::::::|/::}::::::} /^⌒`Y´^\
{::::::《心` 斗≦ミx:::::|-、::::::′
\ ,,_人、ノヽ |::::::; .ゞ' .Vrリ 》/r八/
)ヽ ( 八:∧ , rイ:::/
. < > .>-、-V込 - 、 イ:::/:/}
) て. r< .、 } /ヽ _ 。 < /> ´ .ハ
/^⌒`Y'^\/ \ ∨ / / . < ./ '
/ V´l} }/ / . < /
{ / } | / /. < / }
l{.ィ≦≧x、.ィ.′/´ . -=ニ ′
//////ハ {/ / /
{//´:|: `Vリ .《 / } / }
ゞ.ィ≠ミ《 \ 》、 .rく ―― 、 ./ {
.′: |l: : : }、 ./ }ヘ ヽ / Y \ ,,_人、ノヽ
'/´ ̄ `ヽヽ{ ノ } \ // ./! )ヽ (
./ Vl| .| ./_ イl}ニ} < >
′ '. イニニニノ、=! ) て
; >-< .! /ニニニ/、ニ.V /^⌒`Y´^\
| ./ ヽ .}ー.-、------イ、  ̄ Vハ
八 l{ }.八ニニVニニ∧ニ∧ / Vハ
ヽ イニニニニ.》ニニ∧ニ∧イ l|=|
≧==≦ニニニ/_「ニニV=∧ニ.∧ }=!
/ニニニニニニ/ニ/ニニニニV=∧ニ.∧ .jlリ
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
三合、四合、五合……
始めは相手も様子見だったのか、一合凌ぐたびに
徐々に打ち込まれる剣が鋭く 、重くなっていく。
上段からの斬撃を左右に、横からの薙ぎを上に、刺突をこれも左右に。
いなす都度に私も少しづつ余裕が出てくる。
緑の騎士の剣戟は鋭く、受け損なえば致命傷を負いかねないけれども、
メビウス師匠やアン教官をさほど上回るものではないようだ。
十一合、十二合、十三合……
どうにか目で追えるおかげで、私でも対処できている。
もう少し、もう少しだけ相手が大振りに打ち込んで来たら
私にも反撃する隙ができるのだけど、流石にそこまでやさしい相手ではなく、
もう切り結ぶこと十を超えている。
こうなったら待とう。
ひたすら相手が隙を見せるまでの根比べだ。
私が受け損なうのが早いか、緑の騎士が仕損じるのが早いかの。
二十合を超えてなお、緑の騎士は焦りも疲れも見せていないけれど。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
.
871 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/05(水) 01:24:31 ID:0sgRFC96 (3/14)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
緑の騎士は表情を一切変えず、常にこちらの一挙手一投足を見据えている。
私が何度打ち込みを逸らしたところで焦りの色は欠片も無い。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
z≦圭≧x
〉, -=ミ迂心__ . -――- .
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` 才圦_::::\__ー=彡 / ./≠ミ 、 /
, 行弐伊/\` ー=彡 /≧x_, ,ィ
/}::r:::::: /: : : :.|\{ー=彡'.代zァ {ァj ''‐-..,,_
/{山〈_::/: : : : :.:.:|: : |^| Ν. ゝ~''‐-..,,_~''‐-..,,_
. 〆レ':_:::::/: :  ̄\: : |: : | .|/_> . -‐/ ~''‐-..,,_~''‐-..,,_
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./:幺 イ::/: : : /\: : : : :|: : :|: : |_/ ~''‐-..,,_`
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
ひたすら受けては構え、また受けては構える、その繰り返し。
いつ終わるともしれない剣戟の中、一瞬たりとも気を抜くことはできない。
普段ならばとうに集中が途切れていそうなものだけれど、
不思議とそうなる気がしない。
これが戦場の緊張感というものなのだろうか、おかげで私は
最初の一撃以降、危なげなく緑の騎士の打ち込みを捌ききっていた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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′{::::ト、-' .}斗、}从
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そういえば、緑の騎士にはまだ名を聞かせてもらっていない。
最初の質問には結局満足に応えてもらえず仕舞いで、
私は相手の名も知らないままこうしてひたすら刃を交わしている。
この勝負が終わったら、真っ先に聞いてやらないといけない。
あなたは誰なの? 何故ここにいて、私に勝負を挑んでくるの?
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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872 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/05(水) 01:25:24 ID:0sgRFC96 (4/14)
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もう何度打ちあったか数えきれなくなってきた。
依然私は緑の騎士を打ち崩すことができず、
ひたすら相手の事だけを見据え、相手の動きを、思考を見極めようとする。
あなたはどうやって事態を動かすつもりなのか。
あなたは次にどう動くのか、どんな隠し玉を持っているのか。
あなたは、あなたは、あなたは、あなたは………
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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873 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/05(水) 01:25:45 ID:0sgRFC96 (5/14)
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もう何十度目になるのかわからない交錯。
その刹那だった。
不意に目の前が暗転した。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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874 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/05(水) 01:26:18 ID:0sgRFC96 (6/14)
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ニ二三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三二ニ
ニ二三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三二ニ
三三三二ニ=-― ¨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¨ ―-=ニ二三三三
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三三三二ニ=―- ______ _______ -―=ニ二三三三
ニ二三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三二ニ
ニ二三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三三二ニ
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
ここはどこだろう、私は緑の騎士と戦っていたはずなのに
いつのまにか目の前が深い闇に覆われている。
ようやく目が慣れてきたけれど、うっすらと陰影が見えてきた程度だ。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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875 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/05(水) 01:27:23 ID:0sgRFC96 (7/14)
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暗闇の中で呆然としていると、突然上空に光が見えた。
宇宙船だろうか、この大地を飛び立って大気圏離脱コースに乗っている。
やがて船は飛び去り、辺りは再び一面の闇に帰していく。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
しかしよく目を凝らすと、空にわずかに光るものが残っている。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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それはゆっくりと落ちてきているようで、
少しづつ光は強くなってきて、やがて私の目線と同じ地表に落下した。
音もなく地面に落ちたそれは、小さな小さな、一粒の種だった。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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876 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/05(水) 01:28:16 ID:0sgRFC96 (8/14)
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闇に閉ざされ乾ききった大地に落ちたその種は、すぐに輝きを失い、
そのまま永い永い時間をその場で過ごしていった。
光を浴びることもできず、水を吸うこともできず、
しかしそれでも朽ちることはなく、ずっとずっとその場にたたずんでいた。
そうしてどれほどの時間が流れたころだろうか、唐突に空に光が差した。
途切れることの無い分厚い雲にわずかな切れ目が入り、
何千年、何万年に一度かわからない晴れ間が覗いていた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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877 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/05(水) 01:29:06 ID:0sgRFC96 (9/14)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
永遠とも思えるような歳月を過ごしていた種は、
わずかな光を得たとたんに輝きを取り戻したかのように活動を始め、
みるみるうちに鮮やかな緑の新芽を出した。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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芽は大気中の僅かな水分を吸収して大地に根を張り、
かすかな光を糧に葉を広げていった。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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しかし奇跡の晴れ間は長くは続かなかった。
これから茎をのばして大きくなっていこうとした矢先に雲が再び空を覆い尽くし、
大地は再び暗い闇に閉ざされ、ようやく出た芽は不毛の大地に取り残された。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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878 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/05(水) 01:29:45 ID:0sgRFC96 (10/14)
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光も水も無い空間に残された無力な新芽は、
それでも枯れることは無かった。
大気がかすかに含む水分をひたすら集め、
土中のミネラルを細々と吸い上げ、
それでもなお絶望的に足りない力を、
星のエネルギーから直接汲み上げて命を保った。
宇宙の果てからやってきたのであろう、奇跡の種は、
闇に閉ざされた不毛の大地であってもなお必死に生きようとしていた。
そうして小さな小さな芽は、さらに永い時間にも耐え、その場に在り続けた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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879 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/05(水) 01:31:27 ID:0sgRFC96 (11/14)
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
再び唐突に意識が戻る。
なんだろう、今のは。 映像…いや、記憶だろうか…?
そう思ったのも束の間、剣を突き出す緑の騎士の姿が視界一杯に広がっている。
とっさに体を逸らしはしたけれど、躱しきることはできずに
切っ先がこめかみを裂いていく。
痛みこそ感じないが、噴きだした血が頬を伝っているのが分かる。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
不覚だった。しかし今流れ込んできたのは、おそらく緑の騎士の”記憶”…
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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880 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/05(水) 01:32:16 ID:0sgRFC96 (12/14)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
「何を見た?」
緑の騎士は率直に問いを投げかけてきた。
私はわずかに先ほどの記憶をたどり、やはり短く答える。
「暗い大地と、小さな種。」
それだけで十分伝わったのだろう、緑の騎士は顔を一層険しくして言葉を続けた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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_|. |. }. \ \ ` ーミ
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
「ならば是非もない。もうしばらくこのまま剣を交えていたかったのだが、
そこまで知られた以上は隠し立てをする意味もあるまい。」
そう言って緑の騎士は、今までの闘気とは明らかに違った空気を纏い始めた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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881 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/05(水) 01:32:45 ID:0sgRFC96 (13/14)
∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
∬ ∬
∬ 第四回 終わり ∬
∬ ∬
∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
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882 :ゆで女衒 ◆E8kwFGHptY [] :2014/11/05(水) 01:35:34 ID:UAKsrW3s
乙でした!
次回最終回か!?
883 :ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/05(水) 01:38:00 ID:0sgRFC96 (14/14)
ドウダロウネー(棒)
884 :ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/06(木) 02:44:09 ID:DwkLnCSs (1/12)
※ このシリーズはあくまで番外編です、ゼゲン星人の本編と違うところがあっても笑って流しましょう。
特にAAとか AAとか AAとか あとAAとか!
885 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/06(木) 02:44:29 ID:DwkLnCSs (2/12)
,.-、
/ .l /`ヽ
/ ./ / / .,..-、 気が付いたのは、殺風景な船の一室。
/ヽ/ / / / ./ l
/ l l ./ ,' / / 見える物、聞こえる物、触れる物、初めて感じる五感の刺激に
/ | | l l ../ /.,..-、
l イ l j .| / /./ / 私は戸惑いを覚えたものだ。
.| ', `´ ヽ' /./ /
l .l \ 〈./ / しかし今まで過ごした間の記憶は脳裏に刻まれ、
| `ヽ .\ ,'
l \ `''-..,,__ .| 自分が何者であるか、私は既に知っていた。
.', '., |
.', l | そして今までの己の有様を思い出し、
.ヽ ./
/ l / 私は深い渇望を覚えた。
./ / /
/ / / 私はただあの場所にいるだけでも構わなかった。
./ /
/ / だがその永い間、私はあの場所にたった独りだった。
./ /
∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
∬ ∬
∬ 番外編 リーファと緑の騎士 ∬
∬ ∬
∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
.
886 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/06(木) 02:45:21 ID:DwkLnCSs (3/12)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
緑の騎士をぼんやりとした光がつつんでいく。
それまで放っていた闘気や威圧感ではなく、
そこに”ある”と確信できるほどのエネルギーの塊。
いくら彼が強い戦士であろうとも、ウルトラ戦士と見紛うほどの
莫大なエネルギーがどこにあるというのだろう。
あまりのことに目を見張っていると、周囲の様子が変わっていることに気が付く。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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从:::::::介.、 U ` ( ̄
}/ ヾ:::八 - イ
rヾ{ > . _イ
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.′=ミ、<>.、
{ ヽ } \
| | ヽ
} {l '.
人 \ .ハ }|\
}∨ `ヽ l|ー=>.、
|. ∨  ̄ ̄ \ }| / ` .、 -=ニニニ
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{///////.>イ//> . ‐- .、 `ヽ r、_.ハ-={ハニニ=-‐
/ハ ̄ ̄ /ニニニニニハ ≧=-、 \_ -=ニ{>イ ̄ Vノ
./ニl{ ./ニニニニニニ∧ 人 》-
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887 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/06(木) 02:46:34 ID:DwkLnCSs (4/12)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
木々が揺れている。 風も吹いていないのに、枝がこすれ、葉が舞い落ちる。
落ちた葉は緑の騎士の周囲に流れ、地に落ちる端から枯れて崩れていく。
木の葉だけではない、緑の騎士の足元の草花もまた、
同心円を描くように次々と萎れていく。
草木が、この場の緑すべてが彼の力の源なのだと悟った時には、
すでに緑の騎士は大きく剣を振りかぶっていて、
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
一閃、ただ振り抜いた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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888 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/06(木) 02:47:09 ID:DwkLnCSs (5/12)
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l! .! l!.l ! l .!| l | .l .ノ::::′ l .! .l | ./ ! .7i.l ヽ, 、,
` !.l .l │ l.|| ! !│ .'―ー''" ..l. ..l, ヽ} ., | .〃゙ll .゙'lュ \
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l l,. .ヽ/ .l,! l,..l ヽ `'-、 .\、 (::::::ヽ〃 .'″ !
.″|, ,! .リ ヽヽ l\ .\ .`''ー-z_ニ= ヽノ.. , .l l'、
゙l、 l ゙'Vi、 ヽ`'-、\、 . _,,.=ニッ ,彳 .l| .| l ヽ
'、 .t、 . l. .! `'‐ \ `'''~ _..-'" ,/゛ ! ,!| | .、.| l
. ヽ l\ .ヽ .l \、 <_z─´ / /.l │ l| !
ヽ.l .\ ヽ . l \ミ= / ./ .l゙ ! .|.l .,!
、 `゙ \ .ヽ...l `¨ーz.____Z ̄ _/ / ,! i′ ,! ! |
. ヽ, .x、 \ `、.l, .,... _..-'" ./ . l .,./ /..ノ⌒)
\,.゙ l、, `-、 .`ぇ /( ,.. ‐'" / ,/ ィ/ │ |.~''''".
〈ヽ. `'-ヽ\, . \ {:::::::)._ ,..‐″ / ./ ./ / ト、 ......i
´ ...`' !i、゙'-、. `'-、...゙'''". ヽ`゙"'―-z___z--―‐'''″ ./ イ/ ./ lノ .}
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`'-、 .'i、 `''―-z_____ ,/゛ .,..‐.,/,ニ''ッ‐. / .!
`'-、 .゙.l'、 _>‐゛ _..-'´ .ノ::::′ l. / !
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ヽ/ `'=―'''" ´ _..-'´ _/゛ / (::::::ヽ../
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次の瞬間、私は木の葉を巻き込んだ突風の真っ只中にいた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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890 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/06(木) 02:48:29 ID:DwkLnCSs (6/12)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
吹き荒れる風の中で飛び交う刃と化した木の葉が体を切り裂いていく。
さらに渦の中心で真空が生じたのだろうか、カマイタチにも傷をもらった。
このままこの体でいたら、ほどなく切り刻まれてボロボロになってしまう。
そこまで思い至ったら、もう私にできることは一つだけだ。
空に巻き上げられながら、左手を模造刀から離して前に掲げる。そして強く念じる。
私の中にある、光を………!
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
...:::´::: ̄:::::::.....
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八:::|:::::::::|:::::ハ、{;;;;;iィ衍./ .:;;:: ‘.' ,.' : :;;'.
Ⅵ、::::::|::::{ { {;;;;l ` ( :;;:: , .' ::;;:
_フ>ト、:| |;;;j _ _, ′ ::;;:; ・,‘ ;:;::
_. -‐ ^{ { ヽ/> _ノ '''::;;..’ , .' .;;::''''
/^\ V ヽ Yハ \ / '''';;;::;::;;;:''''
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/ .′ .У /.《 / ヽ`\ '´.
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
すぐに左手が白い光に包まれて、見る間に膨れあがり、
次の瞬間強烈な閃光を放つ。
数秒あるかないかの刹那、目眩い光の中に溶けていく感覚に身を委ねる。
ほどなく光が収まっていき、再び目に映った左手は、さっきまでとは違っていた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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891 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/06(木) 02:50:07 ID:DwkLnCSs (7/12)
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. | , , -==^ヽ\゙V^V^ヽ、 { 〉 } { .. ィ
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. |′ / j j V''" ̄}}==ミ、}「 廴 〉
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∧\」__/} ̄≧===≦ニニニ{
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| { |ニニニニニニニニニニ!
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
淡く照り輝く、シルバー族の白銀の地肌。
血筋のせいなのかは分からないけれど、白銀の中に所々に浮かぶ色は
師匠や教官たちを始めとしたウルトラ戦士によくみられる赤ではなく、
ブルー
命を育むこの星の湖にも似た碧。
決して強い方ではない自分の身体を、他の星の空気に晒すのはこれが初めて。
おそらく数分しか維持できない自分の生まれ持った姿になって、
ようやく私は緑の騎士と全力をぶつけ合える。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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892 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/06(木) 02:51:21 ID:DwkLnCSs (8/12)
| へ /⌒ _ / /(
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
「改めてこんにちは。 私はウルトラウーマンリーファ。 これが本当の私。」
変身の際に発した光は、緑の騎士の放った突風を既に吹き飛ばしていた。
今までとは打って変わった軽やかな体の感覚。
風を切って自由に空を飛べるこの姿こそが、やはり私の本質なんだ。
「行くよ、これが私の最後の一撃。遠慮はしないからね…」
右手の模造刀にスペシウムエネルギーを通しながら宣言する。
さすがにスペシウムブレードを展開しての持久戦は、体力も精神も持たない。
だからこれが最後。 私の全力の一撃を、あの緑の騎士にぶつけるだけ。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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893 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/06(木) 02:53:18 ID:DwkLnCSs (9/12)
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
「いいだろう、それならばこちらもこれが最後だ。
せっかくお互いが全力でやるのだ、妙な気遣いは不要だろう!」
緑の騎士はそう応え、今度は纏うオーラを全て剣に込めている。
今までの草木からの吸収ではない、他のどこかからのエネルギー……
これはもしかして、この星の大地から直接受け取っているのだろうか?
一流のウルトラ戦士に匹敵しているのではと思わされる、
小型の人類の姿としては規格外の力に何度目かの感嘆を漏らしてしまう。
しかしそれもあの”記憶”を垣間見た今なら納得してしまう。
彼は…緑の騎士は、水も光も無い不毛の大地で
星のエネルギーをも吸い上げて命脈を保った奇跡の存在なのだから。
そんな力に対抗するには、私の持つ光の力を全て叩きつけなければならないだろう。
私も剣にエネルギーを通し、ウルトラ念力でそれを保って逃がさず増幅する。
保持するエネルギーが多すぎればその分だけ念力にも集中する必要があって、
始めての実戦で使うには博打にもほどがあるやり方だと自分でも思う。
だけど私は、緑の騎士にどうしても勝ちたい。
勝たなければならない、ではなく、勝ちたい。
そして流れてきた”記憶”に満ちていた、彼の心の渇望、
”寂しさ”を受け止めてあげたい。私程度では何ができるか分からないけれど、
それでも、永い永い時間を孤独のうちに過ごした彼の心を、
せめて私だけでも……
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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894 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/06(木) 02:53:56 ID:DwkLnCSs (10/12)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
「いくぞ、光の者!」
ただそれだけを言い放った緑の騎士に、私も急降下で突撃する。
躱すことなんてもう考えない。
私の全力を、彼に当てることだけに集中して剣を振るう。
「えやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
気合と共に振り下ろした私の模造刀と、切り払いに来た緑の騎士の剣は、
大地と光と、二つのエネルギーをぶつけ合い、
盛大な爆発を生んで私たち二人を吹き飛ばした。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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895 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/06(木) 02:56:04 ID:DwkLnCSs (11/12)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
意識が飛ばされそうになる中、私はもう一度空を駆けて緑の騎士へと迫る。
今のでもう後は無い程に注ぎ込んだけれど、
それでも、あともう一度、渾身の力を振り絞って空を飛ぶ。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
丶.........γ´...\: : : : : : : : :.:∧|..../´ ̄ ̄ ̄ ̄ / / ト、 /r<.................
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/:\.................... ヽ...\/ゝ-〈 /___ '.::::::/ヽ....... ´
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: : : : : : : : : : : : : /: : : : : :∠ -=ァ ´ \_____ ⌒¨¨¨¨¨¨^ヽ:: |: : : : : :.:ノ--―
: : : : : : : : : : : :.:厶斗--―‐=ァ'"{ ______  ̄´ 、____ ∨ |│´ ̄ ̄⌒!.......
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: : : : : : : : : : : : { ̄ ̄ \ 〈{ 、 込リ / / {\.../ . ................
: : : : : : : : : : :/;;, ̄ ̄ ⌒ヽ .,_| ___ ` .イ /リ--ヽ............ =-: :
: : : : : : : : : : | {入: : : : :/: : :./ハ /--:ヘ / 乂{ ̄ >―‐’: : : : : : : : :
: : : : : : : : : : |/:..:| \/: : / .∧ {: : : : : :} イ 厂 : : : : : }:..: : : : : : : :
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. リ \r―- 、ノ:. | //}:..: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
「届けぇ――――――――――――っ!!!」
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
そして、どうにかこちらを向いた緑の騎士が突き出した剣を
スペシウムエネルギーを通した刃の無い刀身でもろともに弾き飛ばし、
緑の騎士を真一文字に斬り付け叩き落とした。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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896 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/06(木) 02:56:38 ID:DwkLnCSs (12/12)
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∬ 第五回 終わり ∬
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898 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/07(金) 00:51:42 ID:5oaV9RXI (2/14)
どこかから、何かが聞こえる。まるで誰かが呼んでいるような…
私は誰かに呼ばれたことも、誰かの名を呼んだことも無い。
生れ落ちてからずっと孤独の中に身を置いて、
意識と自我を得てからも、共にある誰かなど居はしなかった。
少し前にたどりついたこの星で、
ようやく、元は同胞であった草木に囲まれて安らげる時間を得た。
しかしそれでも誰かと共にあると思えたことは無かった。
ああ、ならばこの声は、私を呼ぶ初めての声になるのだろうか。
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∬ 番外編 リーファと緑の騎士 ∬
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899 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/07(金) 00:53:17 ID:5oaV9RXI (3/14)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
どうしよう、ついさっき叩き落とした緑の騎士が
微動だにしなくなってしまった。
お互いに手加減なんかしていなかったけれど、
私はともかく彼の方がこんなになってしまうなんて考えもしなかった。
緑の騎士はまだ生きているけれど、もしこのまま目が覚めなかったらどうしよう。
彼の寂しさを感じて、私が最初の友達になれるだろうかと思っていたのに、
私が何も見えていなかったためにそれが叶わなくなったとしたら。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
やはり私は迂闊だったんだろうか。
相手が剣士だからと気を逸らせて、自ら戦いに臨んでしまい、
ウルトラ戦士としてあるまじきことに相手を酷く傷つけてしまった。
緑の騎士からは血液も流れていないし、大怪我をしているようには見えない。
でも彼が殺気も闘気も、吸収して放っていたオーラも霧散させてしまうと、
彼の生命力が非常に微弱になっているのが傍目にも明らかだった。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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900 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/07(金) 00:53:55 ID:5oaV9RXI (4/14)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
自分のしでかしたことを激しく後悔していると、
目の前に横たわっている緑の騎士が微かに声を漏らした。
「私が、負けたようだな。」
第一声が勝負のことだったことは彼にとっては当然のことなのかもしれない、
しかし私は思わず声を荒げそうになってしまった。
これほど心配していたのに、という言い分は身勝手なのも分かっていても
それでも心配していた身としては拍子抜けもいいところだった。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
ル' |ヽ、 ノ / ナヽハ}二ニZ´イ
| ∧  ̄ イ ,イー─_.-<: : : j
ィ´| / ヽ 丶> ー=彡ィ ´ (()T''f: : : : : : : {
/ ル' /|ゝ、___ . -<:/ .ハ 从l: : : : : : : |
/ . / .| リ 彡/ ./弋ヾ辷_:_: : : : : : j
/ / / | Y´ ̄ / ./ / 丿 >ミー ′
/ / { 弋. | イ . / ノ / `ヽ.
j .' |、 ヽj 人{./ / _ _ハ
.ト { |ミヽ、  ̄ ¨¨¨´ / / `ヽ
.| ヽ...| 弋ミミ辷‐--─ '''≦7′ ,' ',
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ハ 人__、 ヽ XY 人ミtz-_ --≦zj
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
そんな身勝手な安堵と憤りの気持ちは、
しかし彼の様子を見たとたんにすぐに暗転する。
声こそ発したものの、彼は既に息も絶え絶えで、
すぐにでも消えてしまいそうな有様だった。
ああ、やはり私は罪の無い相手を殺してしまうのだろうか。
たとえ出自がどうあれ、緑の騎士は確固とした命ある者だというのに。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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901 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/07(金) 00:55:21 ID:5oaV9RXI (5/14)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
そんな私の胸の内を察してか、緑の騎士は弱々しく、
しかしはっきりと言葉を紡いできた。
「私が勝手に勝負を挑んだのだ、お前が何を悲しむことも無い。
むしろ感謝しているくらいだ。
お前が来なければ、私は何もせずだたぼんやりと時を過ごすか、
さもなくば良からぬ者に倒され、再び醜い争いごとに使われていたのだ。」
感謝している、などと言われて私はさらに混乱した。
死を目前にして、その下手人を相手にそんなことを言うなんて
私には到底理解ができない。
「分からないと言う顔をしているな、いいだろう。
どうせお前の物になるのだから、今のうちに全て話しておこう。」
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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{: : : : : : : : : }\{: : / `ヽ ヾ´ニニ 0ヘ \ }: : : : : : : : :} ーヘ
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
そこから語られたのは、一つの芽だった彼が、
どのようにして緑の騎士の姿になってしまったのか、その顛末だった。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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902 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/07(金) 00:57:35 ID:5oaV9RXI (6/14)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
奇跡の芽が闇に閉ざされてから永い永い時を経て、
再び不毛の惑星を船が訪れた。
船には生命体の不思議と力とを求める探究者が乗っており、
いかなる生物も育つはずもない枯れた大地の中に
たった一つ存在していた小さな芽を見つけて持ち去った。
芽は驚異の生命力と、古来稀なる特殊な性質を見いだされ、
多くの人手を転々として行き、
ついにはある星の科学者の手によって一振りの剣と融合させられた。
剣はその星の戦士の手に渡り、いくつもの戦場で血を吸った。
戦士が戦いに赴くたびにその剣は血の雨を降らせ、
使い手の名と共に銀河にその存在を知らしめた。
芽を剣と融合させた科学者が意図したことか、あるいは芽の生命力の賜物か、
やがて剣は意思を宿し、ついには肉体をも手に入れるに至る。
自由を手にした彼は持ち主であった戦士を殺し、
自らの奥底に宿る渇望のままに船を奪って宇宙を巡った。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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芽から剣、そして人の形を得て緑の騎士となった彼は
しばらくの時間をかけて奪った船の機能を調べて使いこなせるようになり、
己の故郷を求めて生体データを手掛かりに旅の目標を定めた。
故郷へ戻れば、己の内に渦巻く寂しさを埋められるのではないか、
そんな期待を胸に旅を続け、ようやく数年前にこの星を探し当てたのだった。
穏やかで平和な自然の中での時間は、緑の騎士にとっても楽しい物だった。
しかしそれでも彼は寂しいままだった。
言葉を発しても返してくれる相手はいない。
何かを感じ、思っても、それを伝える相手がいない。
そんな日々を送る中で、緑の騎士は決意した。
せめて自分の命が終わるときは、自分が納得できる相手との戦いの末に。
そしてこの身はその相手に託して逝きたい。
私の今までの人生を上回る永い時間を孤独に過ごした彼の、
たった一つの願いがそれだった。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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903 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/07(金) 00:58:20 ID:5oaV9RXI (7/14)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
「お前は私の望みを叶えてくれた。
光の戦士の手にならば、この私の力を託すことに異存はない。」
緑の騎士はそこまで言うと、ついに目を閉じ、今度こそ動かなくなってしまった。
やがてその体は光になって空に溶けていき、
最後の一欠片が消え去った後には、一振りの剣だけが残された。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
ああ、逝ってしまった。
初めて友達になれたかもしれない異星の人は、
その残滓だけを私に残して去ってしまった。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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′ l ト、 \ ,=---、 ヽ \__
| { | \__;\ ′ 斗=ミ ゚。 } ハ 7
| | ,ノ \ .:} /_)爪 }│ .:ト \
\_| :, | / / ヽ..:.:| 弋シ'~八} |/`ー‐ 、
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: : : 、 小、 /__)i}/ハ ∨ } レ{/ヽ:.:.:.:.:----.:.:.
: : : :{ \ : : :..ヽト`cァ'´ |、 // い
, : : : { } ト : : : : :\ / ノ /:}ハ --- 、 }ト 、
′ : : : , リ/\ : : :{`ヾ ー ´ /ヽ} |/:.:.:.:.:.:.:.:} {:.:.:.ヽ
i: : : :}./ --- \: : \ }..,,__ / l |:.:.:.:.:.:.:.:.:.: }/⌒ヽ:
|: : /t.... __ -<_j: :.\  ̄ ̄ ̄ ̄ )\,_|__|____:.:.:.:.:.:.:.}-、 }
|: ー‐ :  ̄/ /:.:{ ゝ_ } -=== ロ彳 ,)/ ,  ̄ ̄ ̄):.:.:.ノ:.:.:ヽ }
| : : : : :/ィ:.:.:.:.:.:.、 }\ 〈\_,ノ′/ / ̄ ̄ )-、:.:.:.:.:.:} ,
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|: :.. / /:.:.:.:.厂 ノ\ \: ヽ r‐「 ノ / / ∧:./
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904 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/07(金) 00:59:54 ID:5oaV9RXI (8/14)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
しかし、私にはきっとこのまま悲しむことは許されない。
彼の旅に終止符を打ち、そしてその力を託されてしまったのだから。
残された剣を手に取り、しっかりと柄を握りしめる。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
すると切り結んでいた時に流れてきたのと同じように、
いや、より鮮明に、彼の記憶が流れ込んできた。
種として生まれた時から、私との戦いが終わる瞬間までが、
彼の感情の全てと共に、余さず私の脳裏に刻み込まれた。
彼の全てを受け取り、私は掌の中の剣に向かって語り掛ける。
あなたはいつまでもずっと一人ぼっちだと思っていたけれど、
少なくともこれからは私が一緒にいる。
あなたが朽ちてしまうのが早いか、私の寿命が尽きるのが早いかは分からない。
でもそれまでの何万年、あなたが今まで過ごした時間よりも
もっともっと長い時間を、私と一緒に過ごしていくの。
だからもうきっと、寂しいなんてことは無い。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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905 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/07(金) 01:00:30 ID:5oaV9RXI (9/14)
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
ふと耳をうつ木々のざわめきに顔を上げると、
いつの間にか私は森のただなかにいた。
全力の打ちあいで吹き飛んだ際にここまで飛ばされていたのだろう。
深い森の木々が、まるで緑の騎士の最期に葬送の調べを奏でているかのような。
それを見た私は、唐突にあることを閃いた。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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906 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/07(金) 01:01:43 ID:5oaV9RXI (10/14)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
今まで名前を持たず、名前を呼ばれることも無かった彼に、
私が名前を付けよう。
不毛の大地に根を張り、草木の力を受け取り、
星とも力を通わせ生きた彼にふさわしい名前。
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
強くたくましく、そして寂しがり屋だった彼に贈る名前。
例えば、この星の豊かな緑のような……
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907 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/07(金) 01:02:47 ID:5oaV9RXI (11/14)
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
そうだ、この剣の、いや彼の名前は――――――――
廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴廴
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メブキノツルギ
芽吹きの剣
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.
908 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/07(金) 01:03:06 ID:5oaV9RXI (12/14)
∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬∬
∬ ∬
∬ リーファと緑の騎士 おわり ∬
∬ ∬
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909 :カイント [↓] :2014/11/07(金) 01:09:32 ID:BLcMVoR.
8888888
リンクよ、安らかに眠れ… いろんな伝承を思わせるような設定もいいですね。
ところでリーファの真の姿を見た時、今までのは伏線だったのかーと夜中なのに声をあげちまったw
910 :ヒビキの人 [↓] :2014/11/07(金) 01:14:00 ID:nP3E/nyw
乙
実に良い物語でした
さて、さっさと自分もヒビキの番外編を書かなくては……;
911 :ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/07(金) 01:18:55 ID:5oaV9RXI (13/14)
今回のリンク=緑の騎士=芽吹きの剣の元ネタは、ソードアートオンラインの原作小説に出てくる”青薔薇の剣”をモチーフにしています。
またリーファのAAが本編でどうなるかは私も知りません(マテ
まだまだ伏線はいくつか仕込んでますので、いつか番外や本編で出てきたらイイナー
912 :
ヤルトラマンAAの人 [↓] :2014/11/07(金) 01:25:14 ID:5oaV9RXI (14/14)
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∠ニ斗
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◆NAME 芽吹きの剣(メブキノツルギ)
◆DATE
探査宇宙船に引っ付いて宇宙に飛び出し、さまざまな宇宙線を浴びて
突然変異を起こした結果、驚異の力を宿した奇跡の種の成れの果て。
周囲の植物や大地との間でエネルギーをやり取りできる。
その力はいわば元気玉。
ただし吸収できるエネルギー量は使い手の許容量に依存するため、
誰でも彼でも惑星崩壊級のエネルギーを使えるわけではない。
今のリーファではスペシウム光線数発程度が関の山である。
リーファの今後の成長に従い、徐々に真価を発揮していくことだろう。